~Sakura通信 平成28年2月号コラム~
2016/02/03
1/28の日経新聞働きかたネクストの中で
労働政策研究・研修機構の浜口桂一郎さんは、
施政方針演説で安倍首相が同一労働同一賃金の実現に踏み込むと
発言しましたが、それにはちょっと驚いたとおっしゃってました。
日本では、正社員を中心とした終身雇用と定期昇給の年功型賃金を
保障してきました。
それが高度成長期に日本企業の競争力の源泉となってきたわけで
バブル崩壊後も正社員を絞り込んで足りない部分はパート・アルバイトの
非正規労働者で賄いましたが、あくまで正社員中心の日本型システムを
変更しませんでしたね。
パートに責任のある仕事を任せるパート店長は、その矛盾の象徴例です。
この矛盾を解消するには、「同一労働同一賃金」の導入ですが、
受け入れられるでしょうか。
非正規労働者の待遇を上げて、正社員が下がるのでは、労働組合は受け入れがたい。
企業側も従来型のシステムで働く正社員を手放したくないはないが
社員構成も高齢化し、人件費負担に耐えられなくなってきた現在、
二者択一ではなく、
中間的な働き方、多様な選択肢に組み替える必要があるといいます。
職務内容や労働時間、勤務地などを限定した限定正社員などの拡大です。
いま、派遣労働者や契約社員の無期雇用への転換は
中間的な働き方を支持する労使双方の思惑が働いてのことかもしれませんね。