~Sakura通信 平成28年3月号 コラム~
2016/03/01
今日は暖かいですね。
3月になると就職活動が本格的に始まります。
せっかく内定を出しても辞退されてしまうのはけしからんという前に
若者への期待をしっかり伝えているだろうか。
内定の理由を明確にせず、正社員はなんでもやる存在だから、
どんな仕事でも力を発揮して欲しいとは言いにくい。
一括採用では、一人ひとりに理由を伝えている時間もない。
なんとなく読んだ日経のコラムでしたが、
偶然その日、城繁幸さんの講演で面白い話が聞けました。
日本の大企業は、経営が揺らげば公的資金で救済されます。
解雇の難しさは、OECD中1位。
正社員に対する保護規制を緩和せよ。と世界から求められています。
日本の大手新聞社では一人解雇するのに1億円かかるとか、、
企業は、この民営化された社会保障の受益者として、
ポテンシャルの高い、若い男性をリクルートしてきました。
限られた人員で仕事がこなせるよう長時間労働を前提としてね。
これなら企業の内定理由の説明が不十分なのもわかります。
若いときは安い賃金で馬車馬のように働き、一定の年齢になったら
若い人に支えてもらう。
仕事の成果や出来高でなく、職務遂行能力による賃金。
経験とともに習熟した能力による賃金といったほうがいいでしょうか。
これなら退職するまで安泰です。
終身雇用・年功序列がうまく機能していた理由がここにありました。
ただこのスキーム、高齢化による労働者の人員構成の変化や成長率の鈍化で
維持できなくなってきています。
まだまだ根強く残ってますけど。
入社しても3年で辞めてしまう者も少なくありませんが、
将来を憂えば仕方ないのかもしれません。
一部のスーパーエリート。
高モチベーション層という表現を城さんはされていましたが、
彼らは自分が最大限成長でき、労働市場価値を高めてくれる場所を
選択する傾向が強くなってきているようです。