さくら社会保険労務士事務所公式ブログワンポイント就業規則-試用期間

ワンポイント就業規則-試用期間

2016/03/01

試用期間は、入社前の面談だけでは判断できなかった能力や
適格性を見極めるための期間のことをいいます。
必ず設けなければならないものではありませんが、
設ける場合は、就業規則に明記してください。

試用期間は、解約権留保付きの雇用契約です。
本採用後の解雇に比べれば、客観的合理性および社会通念上の相当性の判断は
比較的緩やかなようですが、
合理性の伴わない本採用拒否は無効となる場合があります。

三菱樹脂事件では、企業が採用決定後における調査の結果により
または試用中の勤務状態等により当初知ることができず、
また知ることが期待できないような事実を知るに至った場合に
本採用拒否が合理性を有するとされています。

中途採用の場合は、
高度な技術や職務経験を前提にポジションと高給で採用していますが、
まずは、採用前に必要とされる技術や経験を職務記述書にて確認してください。
次に実際にその技術や経験は間違いないのか判断するために
試用期間を利用しましょう。

期間としては、
研修後に心身の故障が判明するようなこともあるので、
6カ月くらいが望ましいかもしれません。
就業規則に明記している企業では、3カ月又は6カ月くらいが多いようです。

試用期間にて不適格とされた場合でも、
今後努力し、改善すれば採用の可能性があるようなケースでは
就業規則に延長規定をおく場合があります。

それぞれの事情に応じて必要な期間を延長しますが、
再度のテスト期間なので、3カ月程度で上限は定めておくべきでしょう。

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