自己都合の退職トラブル
2018/12/01
退職したいと会社に申出をしても、退職を認めてくれないという話を聞いた
ことはないでしょうか。
「退職届を受理しない」「離職票を作成してもらえない」
「有給休暇の取得をさせない」「辞めたら損害賠償請求するなどと脅迫する」
あれやこれやと理由をつけて退職できないらしいのです。
最近では、退職に必要な連絡を代行する、退職代行業なるサービスがあるよう
で、退職が完了するまで、電話・メールにて回数無制限で対応。
必要であれば、休日や深夜でも相談に乗ってくれるようです。
不況下においては解雇トラブル
がよくみられましたが、人手不足のいまは自己都合退職トラブルが多いよう
で、このような民間企業のサービスがあるようです。
労働者は法律上、期間の定めのない雇用の場合、いつでも雇用の解約の申入れ
をすることができます。
また、民法627条1項では、会社の承認がなくても、
原則として解約の申入れの日から2週間を経過したとき、雇用契約は終了する
としています。
就業規則においては、業務の引継の必要性から、「退職希望日の少なくとも
1カ月前に退職届を提出」等と規定することも多いですが、規定のみを理由に
退職を認めないということは難しいでしょう。
昨年度の都道府県労働局および労働基準監督署に寄せられた個別労働紛争の
相談のうち、「自己都合退職」は2番目に多い38,954件でした。
この件数は直近10年間で増え続けており、平成27年度を境に「解雇」を
上回っていますので、この傾向はしばらく続くのではないでしょうか。
(厚生労働省「平成29年度個別労働紛争解決制度の施行状況」)
一度退職を決意しその意思を表明している従業員に対し引き留めを行っても
さほど効果はありませんし、
度を過ぎれば前述のような法的案件にもなりかねません。
くれぐれも感情的な対応はせず、淡々と引継ぎや退職手続を進めてください。
従業員が自己都合退職理由は様々ですが、辞めたいと思わせない会社を
つくることが大切ですね。