さくら社会保険労務士事務所公式ブログ保険者変更したら従前の健康保険証は使えません

保険者変更したら従前の健康保険証は使えません

2018/02/01

雇用改善してくると、入退職が増えてまいります。
お客様から退職した従業員の健康保険証はどうすればいいですか。とか
社会保険に加入したらいままで持っていた健康保険証はどうすればいいですか。
というご質問を受けることが増えてきました。

退職後に所属していた会社の健康保険証を使用してしまうとあとで、
面倒なことになりますので、会社は健康保険証を必ず回収してくださいね。

まず、元従業員が在職していた時の保険証を退職後に使用することはできません。
しかし、医療機関では保険証の有効・無効の判断ができないため、退職等により
健康保険の資格がなくなった後に保険証を使用して、医療機関を受診して
しまうことが起こります。

この場合、協会けんぽ(組合健保の場合もあり。)が立て替えて病院へ支払いをし、
後日、受診した者から協会けんぽに負担分(総医療費の7割から9割)を
返還しなければならなくなります。
医療機関から協会けんぽに保険者負担分の医療費が請求され、協会けんぽが
医療費を医療機関に支払います。

その後、協会けんぽは元従業員に対し、負担した医療費の返還を請求します。
元従業員が返納した医療費については、改めて国民健康保険に療養費として
の請求を行わざるをえなくなります。

逆に社会保険に加入した際も同じです。
いままで国民健康保険に加入しており、国保の保険証を持っていた方が、
社会保険の資格取得後に使用してしまうと、国保から使用した医療費を請求され、
国保へ返還し、協会けんぽ(組合健保の場合もあり。)に療養費請求をして、
返金してもらいます。

この返金の手続きには、時間もかかりますし、とても面倒くさいですね。
採用担当者様は入社時に、「従前の健康保険証は使用できないので、
健康保険証が届くまでしばらくは病院にかからないでください。」とか
「しばらく自費で支払ってください。」という説明をする必要がありますね。

退職者については、
在職中の健康保険証は必ず返してもらうのが安全です。
健康保険証は、退職の場合、退職日の翌日から使用できません。
また、退職ではなく、扶養を解除した場合などは被扶養者でなくなった日から
使用できませんので、こちらについても説明する必要があります。

ご家族の分や高齢者受給者証・限度額適用認定証等も併せて
返却を受けてくださいね。

お問い合わせ