残業が5時間半になったら、休憩は必要?

~午後5時から午後10時30分まで働くときの注意点~

「午後5時から残業して、気がついたら22時30分になっていた…。この時間って、休憩を取らなきゃいけないのかな?」

そんな声を、現場でよく耳にします。

小さな会社の現場では、納期対応や繁忙期などで、どうしても連続で作業が続くことがありますよね。
「とにかく片付けないと終わらない」と、気がつけば数時間が経っていたというケース、珍しくありません。

今回は、「午後5時から22時30分まで、5時間半連続で残業した場合に、休憩を取る必要があるのか?」という素朴な疑問について、労働基準法の考え方をもとに解説してみます。


法律では「休憩のルール」が決まっています

労働基準法では、労働時間に応じて必ず与えなければならない休憩時間が定められています。

★労働時間が6時間を超える → 休憩45分以上

★労働時間が8時間を超える → 休憩60分以上

ポイントは、「労働時間の合計に対して必要な休憩時間を、労働時間の途中に与える必要がある」ということです。

つまり、1日の労働時間が8時間を超えているなら、少なくとも1時間の休憩をどこかでしっかり与えていることが必要になります。


じゃあ、午後5時から午後10時30分までの「5.5時間残業」では?

例えば…

  • 午前9時〜午後5時(休憩1時間)→ 実働7時間
  • 午後5時〜午後10時30分 → 残業5.5時間

このように、1日の合計実働が12.5時間になるケースは、確かに現場でも発生しがちです。(最近はないと願いたい)

ここでよく聞かれるのが、

「夜の残業中にも、追加で休憩1時間を取らなきゃいけないんですか?」

というご質問。

この点、労働基準法上は「NO」です。


実は、追加の休憩は「義務ではない」

1日で8時間を超える労働があったとしても、
所定の勤務時間中にすでに60分以上の休憩をしっかり取っていれば、それで法律上の要件は満たしています。

つまり、「所定労働時間中に休憩1時間を取っているなら、残業中にさらに休憩を取る義務はない」というのが法の立場です。

これ、意外と誤解されている方が多いんですよね。


では、残業中にまったく休憩なしで大丈夫?

ただし、ここで注意したいのは、
「休憩を取らなくても問題ない」という話と、
「休憩を取らなくてもよい運用が正しい」という話は、別だということです。

法律的にはOKでも、現実的に5時間以上も集中して働けば、
疲れやミス、事故のリスクも上がりますし、労働安全衛生上の配慮も求められます。

たとえば、午後7時に15分、午後9時に15分、午後10時前後にもう少し…というように、
小刻みにでも短い休憩を入れることで、集中力や効率が上がるというのは、現場の実感としてもあるのではないでしょうか。


就業規則で「残業中の休憩ルール」を決めておこう

ここで実務的なポイントですが、残業中の休憩の与え方について、あらかじめ就業規則に明記しておくと安心です。

🌸「午後◯時以降に及ぶ残業では、15分の休憩を設ける」

🌸「午後10時以降の残業は原則として行わない」

といった会社方針をルールとして整備しておくことで、
従業員にも配慮が伝わりますし、不公平感も防げます。


最後に:がんばる人ほど、休憩が必要かもしれません

長時間連続して働けるのは、集中力や責任感がある証拠。
でも、それが結果的に体調を崩したり、大事な納品でミスにつながってしまったら本末転倒です。

だからこそ、「ちょっと休もう」という小さな判断が、
現場全体を守ることにつながります。

「休憩は権利であると同時に、会社を守る仕組みでもある」
そんなふうに捉えていただけると、現場運用にも活かしやすくなると思います。