会社が気をつけたい

「扶養に配慮した」雇用契約書の書き方

扶養の問題で、会社側がいちばん困るのは
「あとから説明がつかなくなること」です。

実は、
扶養に入れるかどうかは
👉 実際にいくら稼いだかより
👉 契約書にどう書いてあるか
で判断される場面が非常に多いのです。


なぜ「契約書の書き方」が重要なのか

今回の制度整理で、国はこう考えています。

「最初から決まっていない残業まで、
年収として見込むのはやめましょう」

つまり逆に言えば、

  • 契約書に
    「残業あり」「時間外勤務あり」
    と書いてあると
  • それは
    “最初から想定されている収入”
    と判断されやすくなります。

だからこそ、
何気なく書いた一文が、
後で大きな違いを生むのです。


基本の考え方(ここが軸)

扶養を意識する場合、
契約書の考え方はこの3点に集約されます。

  1. 所定労働時間・賃金を明確にする
  2. 残業は「原則なし」であることを明示する
  3. 例外的に発生する残業は「一時的」と位置づける

① 所定労働時間・賃金はシンプルに

まず大切なのは、
通常の働き方だけで年収が基準内に収まることを
契約書上で明確にすることです。

記載のポイント

  • 週の所定労働日数・時間
  • 時給(または月給)
  • 所定労働時間内での賃金のみを前提にする

👉 ここが曖昧だと、
「将来もっと働く前提なのでは?」
と見られやすくなります。


② 残業は「原則なし」と書く

ここが、今回いちばん重要なポイントです。

おすすめの考え方

  • 残業を常態化させない
  • 契約書には
    「原則として時間外労働は行わない」
    と明記する

なぜこれが効くのか

  • 残業が「予定されていない」ことが明確になる
  • 繁忙期などの残業が
    👉 一時的・例外的なもの
    と説明しやすくなる

③ 例外的な残業は「一時的」と位置づける

完全に残業ゼロにできない現場もありますよね。

その場合は、
書き方でコントロールします。

書き方の方向性

  • 「業務上やむを得ない場合に限り」
  • 「一時的に時間外労働を命ずることがある」
  • 「恒常的なものではない」

といった表現を使います。

👉 これにより、

  • 契約上の賃金=通常勤務分
  • 残業代=想定外・臨時的収入

と整理しやすくなります。


逆に、避けたい書き方

次のような書き方は、
扶養の説明が一気に難しくなります。

  • 「時間外労働あり(時間数の定めなし)」
  • 「業務の都合により残業を命ずる」
  • 「月〇時間程度の残業あり」

👉 これらはすべて
“最初から見込まれた収入”
と判断されやすくなります。


扶養確認の場面で効いてくるポイント

実際の被扶養者認定では、

  • 雇用契約書
  • 労働条件通知書
  • 本人の申立書

をセットで見られます。

契約書が整理されていれば、

  • 「この残業は想定外です」
  • 「恒常的な収入ではありません」

と、筋の通った説明ができます。


🌸さくらからの実務的アドバイス

扶養を守るための契約書は、

  • 働く人を守るため
  • 会社を守るため

どちらにとってもプラスです。

✔ 人手不足のときに柔軟に残業をお願いできる
✔ 扶養を理由にシフトを減らされにくくなる
✔ 後からトラブルになりにくい

こうした効果があります。