ざっくりわかる!2025年の年金制度改正まとめ【基礎年金の底上げが注目ポイント】
2025年5月、自民党・公明党・立憲民主党の3党が合意し、「これからの社会に合った年金制度」を目指す改正案が国会で可決・成立しました。働き方の多様化や少子高齢化に対応し、年金制度の持続可能性と公平性を高める内容です。
1. 基礎年金の底上げ策が盛り込まれた!
今回の改正の目玉は「基礎年金の底上げ」。立憲民主党の提案により、基礎年金を将来的に引き上げる仕組みが付則に明記されました。
厚生年金の積立金を活用し、将来的に基礎年金の給付水準が大幅に下がることを防ぐための財源確保や影響緩和策が柱です。
実際の引き上げ時期は、2029年に予定されている年金財政検証を踏まえて決まります。
2. パート・アルバイトの社会保険適用がさらに拡大
これまでは「週20時間以上の労働」「月給8.8万円以上」などの条件に加え、「51人以上の会社」などの条件がありましたが、順次拡大されます。
改正後の段階的拡大スケジュール
施行時期 | 対象となる会社規模 |
---|---|
2026年10月〜 | 51人以上(現行通り) |
2027年10月〜 | 21人以上の会社も対象 |
2029年10月〜 | 会社規模に関係なく全ての会社が対象に |
どんな小さい会社でも、条件を満たせば社会保険に加入できるようになります。
3. 65歳以上の就労でも年金減額を緩和
65歳を過ぎても働く場合、年金と給与の合計が「月62万円」までなら年金が減額されなくなります(従来は月50万円まで)。高齢者の働き続ける意欲を応援する改正です。
4. 遺族年金の受給期間を見直し
子どもがいない30歳以上の配偶者には、これまで無期限で遺族年金が支給されていましたが、改正後は男女問わず「原則5年間のみ」に統一されます。公平性を重視した見直しです。
5. 高所得者の年金上限を引き上げ
年金額は「標準報酬月額」に基づいて計算されます。これまで月65万円までだった上限が、月75万円に引き上げられます。高所得者の将来年金が増える仕組みです。
6. iDeCoの加入可能年齢が70歳未満までに拡大
自分で積み立てる年金制度「iDeCo」への加入可能年齢が、65歳未満から70歳未満まで拡大されます。長く働く人の老後資金準備がしやすくなります。
これらの改正により、より多様な働き方に応じた年金制度が整備され、将来の安心が少しずつ近づいています。特に基礎年金の底上げは大きな焦点なので、今後の議論や実施時期の動向に注目です!