アルバイトの残業代計算で見落としがちな「固定手当」の扱いと正しい計算方法

残業代の計算は、時給や労働時間の集計だけでなく、手当の扱いにも注意が必要です。特にアルバイトやパートに毎月一定額の手当を支給している場合、その手当が残業単価に含まれるかどうかを誤ると、未払い賃金や労務トラブルの原因になりかねません。この記事では、固定手当の取り扱いと正しい計算方法をわかりやすく解説します。

【固定手当は残業単価に含めるべきか】

労働基準法では、残業代(割増賃金)の算定基礎に含めるべき手当と含めなくてもよい手当が定められています。
含めるべき手当の例:役職手当、住宅手当、家族手当、業務手当など、毎月定額で支払われるもの(※一部例外あり)
含めなくてもよい手当の例:通勤手当(実費)、時間外手当、深夜手当など

【よくあるミスの事例】

横浜市の飲食店A社では、アルバイトBさんに毎月5,000円の業務手当を支給しています。
Bさんの時給は1,200円。4月の残業代計算の際、業務手当を単価に加えず計算してしまいました。

例えば
 ×誤った計算:1,200円 × 1.25 = 1,500円(残業1時間あたり)
 〇正しい計算:
 その月の所定労働時間で手当を時給換算します。
 5,000円 ÷ 160時間(例)= 31.25円
 1,200円+31.25円=1,231.25円
 1,231.25円 × 1.25 = 約1,539円

結果として、1時間あたり約39円の差が生じ、月に10時間残業した場合は390円の未払いとなってしまいます。

【その月の所定労働時間を使う理由】
残業単価に加算する際は、その月の所定労働時間で割るのが原則です。
160時間は一般的なフルタイム(週40時間×4週)の目安ですが、実際の所定労働時間は会社の就業規則やカレンダーによって異なります。
変形労働時間制やパートタイマーの場合は、個別契約上の所定労働時間を使用します。


【ミスを防ぐためのチェックポイント】
◆固定手当の種類と金額を毎月確認しているか
◆所定労働時間の計算根拠を理解しているか
◆新人や昇給があった場合の時給単価を確認しているか


【負担を減らす選択肢】
このような細かい計算は慣れていないと見落としやすく、法改正やルール変更があるたびに確認が必要です。弊所では、横浜・川崎の小規模企業や店舗向けに、給与計算と関連する労務管理のアウトソーシングを行っています。手間とリスクを減らしたい方はお気軽にご相談ください。


固定手当の扱いを正しく理解すれば、残業代計算の精度は大きく向上します。毎月の計算を正確かつ効率的に行い、従業員との信頼関係を守りましょう。