2025年5月、政府は「これからの社会に合った年金制度」にするための閣議決定し、国会に出しました。 この法案は、働き方や家族構成の多様化に対応し、年金制度の持続可能性と公平性を高めることを目的としています。
1. パートやアルバイトも社会保険の対象に!
これまでは、パートやアルバイトの方が社会保険(厚生年金・健康保険)に入るには、 「働く時間が週20時間以上」や「月の給料が8.8万円以上」などの条件に加えて、 「51人以上の会社」で働いていることが必要でした。
(社会保険に加入している人の数です)
▼ 今後はどうなる?
いつから? | 対象になる会社の規模 |
---|---|
2026年10月〜 | 51人以上(今まで通り) |
2027年10月〜 | 21人以上の会社も対象 |
2029年10月〜 | 会社の規模に関係なくすべて対象に! |
つまり、どんなに小さい会社で働いていても、条件を満たせば社会保険に入れるようになります。
▼ どんなメリットがあるの?
🌸将来もらえる年金額が増える!
🌸社会保険に入ることで、会社と自分の両方が保険料を負担してくれる!
🌸病気やケガで仕事を休んだときに「傷病手当金」などの保障がある!
ただし、給料から保険料の一部(だいたい15%)を自分で負担することになるので、会社とよく話し合っておきましょう。
2. 65歳以上も安心して働けるように!
65歳を過ぎても働いていると、年金が減らされることがあります。 今回の改正で、給料と年金を合わせて「月62万円」までは減額されなくなります(今までは50万円)。 これで、年金が減る心配をせずに働ける人が増えます。
3. 遺族年金がもらえる期間が変わる
結婚していて、夫や妻を亡くした人が受け取る「遺族年金」。 今までは、30歳以上の子どもがいない女性はずっと受け取れましたが、 これからは男女ともに「原則5年間」だけ受け取れるようになります。 制度の公平さを考えた見直しです。
4. 高い収入の人の年金も見直しへ
年金の額は「給料」に応じて決まります。 これまで上限は「月65万円」でしたが、今後は「75万円」に引き上げられます。 収入が多い人ほど、将来もらえる年金も増えることになります。
5. iDeCo(イデコ)に70歳まで加入OK!
今までは65歳未満しか入れなかった「iDeCo(自分で積み立てる年金制度)」に、70歳未満まで加入できるようになります。 長く働く人にとっては、老後の準備がしやすくなります。
6. 基礎年金を増やす案は今回は見送りに
すべての人がもらえる「基礎年金」を将来増やす案も検討されていましたが、 今回は見送られました。まだ議論が続いている段階です。