労働保険

労働保険(労災保険と雇用保険)に加入について


労働保険とは労働者災害補償保険(一般に「労災保険」といいます。)と雇用保険とを総称した言葉です。
法人の代表や取締役は労働保険(労災保険と雇用保険)には加入できませんが、社会保険では強制的に加入しなければなりません。
兼務役員など労働者性の強い取締役は労働保険に加入できる可能性があります。

労災保険

雇ったら入る!労働者を1人でも雇っている事業主は、労災保険に加入する義務


労働者(パートタイマー、アルバイト含む)を一人でも雇用していれば、業種・規模の如何を問わず労働保険の適用事業となり、事業主は成立(加入)手続を行い、労働保険料を納付しなければなりません。

労災の最も重要な役割は、業務上のケガや病気、また通勤時の事故などに対して、迅速かつ公正な保護です。たとえば業務上のケガや、通勤時の事故など、業務に関わった災害に対し労働災害認定が成され、労働災害に見舞われた労働者に対して保険給付を行います。
労災は、労働者に対して必要な保険給付を行うだけではありません。労働者の社会復帰の促進、さらに労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保なども行います。
労災は、労働者の福祉の増進に寄与することを目的としています。労働者が安心して働ける環境と補償を整えることが事業者には義務付けられています。

労災保険未手続事業主に対する費用徴収制度の強化について


労災保険の適用事業であるにもかかわらず、加入手続を行わない未手続事業の数は約54万件に上るとされています。
労災保険制度の運営を適正に行い、保険料を負担している事業主間の公平性を確保するためにも、未手続の事業所は大きな課題となっています。

加入指導を受けたにもかかわらず、加入手続きを行わない期間に労災事故が発生した場合、現行の取扱いでは「故意又は重大な過失により手続を行わないもの」と認定して保険給付額の40%を徴収していましたが、これからは「故意に手続を行わないもの」と認定して保険給付額の100%を徴収されます。

また、加入指導は受けてないが、事業開始の日から1年を経過してなお加入手続を行わない期間中に労災事故が発生した場合、「重大な過失により手続を行わないもの」と認定して、新たに費用徴収の対象とし保険給付額の40%を徴収されます。

労働保険の対象となるのはどんな人ですか?

労働保険(労災保険・雇用保険)は労働者を使用する事業所が対象となります。従業員を1人でも雇ったら加入しますが、雇用保険では、被保険者とならない人もいます。例えば役員・取締役等、昼間部の学生、短時間で働く季節労働者、臨時内職的に働いている人や65歳を過ぎた後働く人などは、被保険者となりません。

労災保険の対象とならない事業主の労災はどうなるの?

労働者ではない事業主や一人親方は対象外ですが、ある一定の条件のもとに事業主・法人の役員・家族従事者なども労災保険に特別に加入することができます。これを特別加入制度といいます。
事業主や一人親方の特別加入・労働保険事務組合の手続きも行っています。

労災保険のメリットは?

労働者災害補償保険(通称:労災)は、労働者のための制度です。
原則として1人でも労働者を使用する事業は、業種の規模を問わず、すべて保険関係が成立し、事業主は労働災害補償保険の加入手続を行う義務が生じます。
職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者が対処になるので、パートやアルバイトにも適応されます。労働者の味方であるという最大のメリットがあります。

雇用保険


雇用保険も労働者を雇用される事業主は、必ず加入しなければなりません。
雇用保険は、従業員が失業したときのセーフティネットになりますが、助成金を申請するには、雇用保険の適用事業所であることが条件となっているものがたくさんありますので、必ず加入してください。

雇用保険は、政府が認めた制度です。
雇用保険は、労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進のために設けられた保険制度です。政府が認定した制度で、事業所規模にかかわらず、1週間の所定労働時間が20時間以上で31日以上の雇用見込がある人を雇う場合は適用対象となります。雇用保険制度への加入は事業主の義務であり、労働者にとっては安心して働くための制度です。

雇用保険には、大きく分けて2つの役割があります。

1 失業等給付を支給

労働者が失業した場合や、労働者について雇用の継続が困難となる理由が生じた場合に必要な給付を行います。
失業しても、生活を心配のせずに新しい仕事を探し、1日も早く再就職できることを目的としています。

2 労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付を行う

失業の予防、雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上、その他労働者の福祉の増進等をはかる目的があります。
訓練を受けることにより、労働者の生活、また雇用の安定を図ります。また、失業中でも求職活動を容易にするなど就職を促進します。
個々の能力を高めることで、充実した仕事が実現でき、生活の安定にもつながります。

雇用保険の対象となるのはどんな人ですか?

加入に必要な要件は、2つ

適用範囲が拡大されています!

  • 31日以上引き続き雇用されることが見込まれること
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること

加入できない人

  • 役員・取締役や昼間部の学生(加入できる場合もあります)
  • 臨時内職的に雇用される人(加入できる場合もあります)
  • 65歳に達したあと雇用される人
  • 短時間労働で季節的に雇用される人
  • 4ヵ月以内の期間を予定して行われる季節的事業に雇用される者
  • 船員保険の被保険者
  • 国・都道府県・市町村で雇用される人で、他の法令で受ける内容が雇用保険の給付を超える人
  • 個人経営(法人・国・都道府県・市町村が経営する事業でないこと)で常時5人未満の労働者を使用する農林水産業が任意適用事業になりますが、労働者の2分の1以上が希望すれば加入申請しなければなりません。
    ※ もちろん外国人経営者の事業でも含まれます。
お問い合わせ